オーロラベルト直下の隠れ家(2)
オーロラベルト直下、森の中にある隠れ家ベンセンクリーク・ロッジ(Bensen Creek Lodge)。ここの一番の魅力は? というわけで、前回の続きです。
悪路を悪戦苦闘の末辿り着いたロッジですが、待っていてくれたのは、フランス出身のオーナー、ジェラール(Gerard Cruchon)さん。持っている巨大キノコは、今晩のおかずになるそうなんですが、果たして・・・?
到着して、なぜ入り口から電話が通じなかったのかが分かりました。このロッジ、電気がないので、電話が使えないんです。しかも携帯電話も圏外で繋がりません。暗くなると自家発電をするので、朝と夕方から夜にかけては電話が使えるようになります。しかし今回は、肝心の発電機が故障! 必死に修理するジェラールさんと、それをじっと見つめる愛犬セルティック(Celtic)。でもさすがです。バラバラに分解した結果、直してしまいました。
さて、食事です。すべてジェラールさんの手作りなんですが、これが本当に美味しいんです。
パンは毎日焼きたての、アツアツ!
先ほどのキノコは、見事なソースになりました。
パンに乗せて食べると、もうやめられません! 実はこのキノコ、幻の高級マッシュルームとして有名なんだそうです。それが自生しているベンセンクリーク、すごいです。
そしてメイン。シンプルな山の男の料理という感じですが、とにかく味わい深くて素晴らしい。まさかこんな場所で、このようなおいしい料理に巡り会えるとは、思ってもいませんでした。
ジェラールさんの特技は、料理だけではありません。実はもう30年も、トゥームストーン準州立公園(Tombstone Territorial Park)のガイドをやっている、スペシャリストでもあるんです。ユーコン準州の自然のことは、もうお手の物。ロッジの前では、小鳥がジェラールさんの手から餌を食べにやってきます。
でも、このロッジの一番素晴らしいところは、なんといっても、その居心地の良さ。「自分の家にいる気分でくつろいでください!」というジェラールさんの言葉を聞くまでもなく、初めて来たのにソファーに寝転んでしまうような温かい空気が、ここベンセンクリーク・ロッジには間違いなくあるんです。ジェラールさんのホスピタリティ溢れる人柄が、きっとそうさせているんでしょうね。
あまりにも居心地がいいので、次の日も泊まらせてもらいました。チーズフォンデューが、冷えた体にはたまりません!
ユーコン準州に来たら、必ず立ち寄りたいベンセンクリーク・ロッジ。でも、あの道だけは、本当にもう・・・ セルティック、なんとかしてください!