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世界の絶景を旅するテレビ番組制作会社のブログ

世界を旅する撮影隊が 旅行に役立つお得な情報や撮影のノウハウをお届けします

自分でやる ドローンの許可・承認の申請(3) 人口密集地区上空の飛行 夜間飛行 目視外飛行

前回は書類(1)の途中までと書類(5)を作成しました。さあこれからが本番です。なんとか分かりやすく説明していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。前回までの流れは以下のリンクをご参照ください。
worldstaff.hatenablog.com


まずPDF形式の記入例の4ページ目をご覧ください。

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前回は⑨まで作成したので、今回は⑩からいきましょう。

書類(2)「無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書」の作成

あれ、まだ書類(1)の作成が終わってないぞ!? はい、終わっていません。でも書類(1) を作成して行く過程で書類(5)と同様に、なんと書類(2)「無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書」が完成してしまうんです。

⑩は別添の書類が2つ必要になりますが、とりあえずここの欄は「基本的な基準の適合性は別添資料◯のとおり確認済み 追加基準の適合性は別添資料◯のとおり」と記入すればOKです。

では別添資料を作成しましょう。実はこの別添資料こそが、書類(2)そのものになります。必要な資料は以下の2つです。

(a) 基本的な基準の適合性
(b) 追加基準の適合性

まず(a)の「基本的な基準の適合性」の別添資料は、word形式の雛形書類5〜6ページ目を使用します。まず5ページ目(様式2)「無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書」をご覧ください。あれ、書類(2) と同じ名前ですね。つまり書類(2)がそのまま⑩の別添資料になるんです。

では早速記入してみましょう。一番上はドローンのメーカーや機種名、製造番号を記します。重量は「資料の一部を省略することができる無人航空機」であれば、その表に記載されている重量を記入しましょう。改造していなければ「改造していない」にチェックし、3のチェックリストは無記入でOKです。「資料の一部を省略することができる無人航空機」でない場合は、バッテリーを含めた総重量を測定して記載し、3のチェックリストを記入してください。これで書類(2)の完成です。

書類(6)「無人航空機の運用限界及び無人航空機を飛行させる方法が記載された取扱説明書等の該当部分の写し」の作成

同様に、word書類6ページ目「無人航空機の運用限界等」を作成すれば⑩の別添資料になるだけでなく、書類(6)が完成します。この書類は、無改造の「資料の一部を省略することができる無人航空機」であれば非常に簡単。(運用限界)の欄も(飛行させる方法)の欄も「資料の一部を省略することができる無人航空機に該当するため省略」と記載すれば完成です。これで⑩の(a)に必要な2つの別添資料が完成しました。

こうしてみると、使用するドローンが「資料の一部を省略することができる無人航空機」かどうかは、けっこう重要ですね。ここで念のため、もう一度「資料の一部を省略することができる無人航空機」の一覧表をリンクしておきます。

書類(8) 許可等が必要な内容に応じた追加基準への適合性を示した資料

次の⑩の(b)「追加基準の適合性」については、申請する内容によって作成する書類が変わるので少々やっかいです。ただ、各々のケースにおける記入例が国土交通省のHPの下部に記載されているので、それにそって記入すれば大丈夫です。雛形はword書類の7〜8ページにあり、これが例のごとく書類(8)「許可等が必要な内容に応じた追加基準への適合性を示した資料」になります。


では代表的な各々のケースについて見て行きましょう。

人口密集地区上空の飛行、人または物件から30m以上の距離を確保できない飛行、催し場所上空の飛行の場合

人口密集地区上空の飛行、人または物件から30m以上の距離を確保できない飛行、催し場所上空の飛行で求められる追加基準は以下のとおりです。

(1) 物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること。

具体的にはプロペラガードがある場合は「プロペラガードを装備している。」と記入すればOKです。ない場合は記入例に例が出ていますが、ここは素直にプロペラガードを装着した方が良いでしょう。

夜間飛行の場合

夜間飛行で求められる追加基準は以下のとおりです。

(1) 無人航空機の姿勢及び方向が正確に視認できるよう灯火を有していること。ただし、無人航空機の飛行範囲が照明等で十分照らされている場合はこの限りでない。

灯火を有している場合はその旨を記入すればOKです。飛行経路が特定されていてそこが明るい場合は、その旨を記入しましょう。

目視外飛行の場合

目視外飛行で求められる追加基準は以下のとおりです。

(1) 自動操縦システムを装備し、機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること。
(2) 地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できること(不具合発生時に不時着した場合を含む。)。
(3) 電波断絶等の不具合発生時に危機回避機能(自動帰還機能、電波が復帰するまで空中で位置を維持する機能等のフェールセーフ機能)が正常に作動すること。

(1)ではプロポ(コントローラー)にモニター(スマホ)がついていて、そこにリアルタイムで映像が映し出されていることを示す必要があります。なのでプロポにモニター(スマホ)が設置されている写真を添付し、「写真のとおり、機体に設置されたカメラの映像で機体の外の様子を監視することができる。」と記入すれば良いでしょう。

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また自動操縦システムについては、Phantom4程度の自動操縦システムでは自動操縦システムであると認められないので、その場合は「自動操縦システムは有していないが」とした上で、監視員を増やすなどより安全を強化する主旨の文が必要になります。またこれは当然ながら、実際の運用においても必ず実行しなければなりません。ドローンの許可承認は安全を担保するものではなく、より安全を意識し、運用体制を整え、重大事故をおこさないようにするためにあります。

(2)と(3)は、Phantom4の場合は特に問題はないでしょう。(2)は記入例の通り「プロポのモニターに、機体の位置情報や GPS 電 波の状況、機体の異常の有無等が表示されるよ うになっている。」、(3)は「GPS 電波断絶等の不具合発生時には、Go-home 機能(自動帰還機能)が作動する。」とすれば大丈夫です。

危険物輸送 物件投下の場合

弊社でもまったく経験がないので簡単なことは言えませんが、危険物輸送の場合は「危険物の輸送に適した装備が備えられていること」、物件投下の場合は「不用意に物件を投下する機構でないこと」が追加基準になります。


これで書類(1) の⑩と書類(8)「許可等が必要な内容に応じた追加基準への適合性を示した資料」の完成です。

書類(3)「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」の作成

同じように書類(1) の⑪の別添書類を作成すると、自動的に書類(3)「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」が完成します。まず⑪の欄は記入例そのままでいきましょう。ただ、別添の資料番号はズレる可能性があるので、確認して合わせてください。

ではいよいよ別添書類を作成します。ここでは下の3つの書類を作成します。

(c) 無人航空機を飛行させようとする者の一覧
(d) 無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書
(e) 追加基準の適合性

まず(c)の「無人航空機を飛行させようとする者の一覧」ですが、雛形はword書類の9ページ目にあります。ドローンを操縦する方全員の氏名と住所、ドローンの機種名を記入すれば完成です。備考欄には、ドローン検定やドローン関係の資格等を記入し、認定証の写真かコピーを添付します。十分な経験と技術、知識があることを飛行記録などで証明できれば、資格がなくても全然問題ありません。

(d)の「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」の雛形はword書類の10ページ目の(様式3)になります。個人申請の場合は、責任者の所属・氏名欄に署名するだけで大丈夫です。Phantom4の場合は自動操縦の機体には「該当しない」で申請してください。Phantom4の自動操縦システムは、自動操縦システムとしては十分ではないと見なされています。そしてこれが(3)「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」になります。

最難関? 書類(7)「 操縦者の過去の飛行実績又は訓練実績等を記載した資料」の作成

そして(e)の「追加基準の適合性」の雛形はword書類の11ページ目にありますが、実はこれからあらたにドローンを始める方には、ここが一番の難関になります。なぜなら「追加基準の適合性」については、過去の飛行実績や訓練実績が重要視されます。操縦者の技術レベルは最重要項目のひとつですので当たり前と言えば当たり前なんですが、問題は「その技術を習得する為の練習をすることさえ、許可承認がないと行うことが出来ない」ということなんです。

例えば目視外飛行の承認申請をする場合、目視外飛行の技術や経験がないと「追加基準の適合性」を満たせませんが、かといってそれを習得するために目視外飛行の訓練をするには、国土交通大臣の「承認」がないと出来ないんです。なんというジレンマ! 練習も出来ないのに、どうやって経験を積むの? そんなむちゃな! どうすれば? 

方法はただ1つ。「屋内で練習する」こと。航空法は屋内には適用されないからです。ここでいう「屋内」とは、例えば家の中や体育館の中などはもちろんのこと、例えばゴルフの練習場のように四方と上部が網で囲まれたような場所も「屋内」と定義されます。また、日本各地にはまだ数は少ないですがドローンの練習場がありますので、そこで練習して技術を習得しましょう。

なお、word形式の雛形ではフライト記録の詳細を書き込むようになっていますが、最近はPDF形式の記入例のようにフライト時間の合計を記入するだけでも大丈夫なようです。これで書類(1) の⑪と書類(7) が完成しました。


ここまでで書類(5)(2)(6)(8)(3)(7)が完成しましたが、実は書類(4)も既に完成しています。前回書類(1)の⑤記入の際に作成した地図が書類(4)「飛行の経路の地図」だったんですね。これであとは書類(1)の残りと書類(9)のみ。あとひと息! 次で完成させてしまいましょう。