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世界の絶景を旅するテレビ番組制作会社のブログ

世界を旅する撮影隊が 旅行に役立つお得な情報や撮影のノウハウをお届けします

プロも使う! 動画撮影に使えるカメラとアクセサリー【SONY α7S】

テレビ番組の撮影に使うカメラというと黒くて大きな方に乗せるカメラを思い浮かべることが多いと思います。もちろん今でもそういうカメラはありますが、中には一般に販売されている小型の民生機にも、用途によっては素晴らしい映像を撮ることが出来るものも増えてきました。そんな中から弊社が使用している機材を紹介しようと思います。第一弾は SONY の α7S です。
SONY ミラーレス一眼 α7S ボディ ILCE-7S

静止画よりも動画撮影向きなミラーレス一眼

SONY の α7S はミラーレス一眼と呼ばれるタイプのデジカメです。一番のウリはISO409600相当まで上げることができる高感度性能で、後継機である α7S Ⅱ とともに唯一無二の存在であると言えます。35mmフルサイズのセンサーに1220万画素というスペックなので静止画撮影には用途によっては不向きかもしれませんが、4KでもHDでも動画においては十分なスペック。むしろこのカメラの真価は、動画撮影で発揮されるといってもいいでしょう。なお後継機の α7S Ⅱ は、画質面では違いはありませんが、4K内部収録、手振れ補正機能、オートフォーカスの高速化といった違いがあります。暗いところで手持ちで動画撮影する際には威力を発揮するでしょう。金額は倍近くになります。


オーロラや流れ星、ホタルもばっちりの高感度 まんまるお目目のネコも撮れちゃいます

高感度ということで真っ先に思い浮かぶ被写体は、オーロラです。弊社でもオーロラ撮影のために購入しました。どのくらい写るのか半信半疑でしたが、結果はご覧のとおり。写真では表現できないオーロラの動きを、完璧に捉えることが出来ました。

youtu.be


水族館内など照明をつけることが出来ない場所での撮影にも、α7Sは絶大な威力を発揮します。暗がりでネコを撮影すると瞳孔が開いて、まんまるお目目のかわいい表情になります。またどんなに暗くても発光体であれば、かなり暗いものでも映る印象があります。たとえば流れ星やホタルの光も写すことが出来ます。沖縄県西表島で見られるイリオモテボタルの淡い光もOKでした。小笠原の光るキノコ、グリーンペペなどは余裕ですね。天の川はさすがに難しく、シャッター速度を1/30まで落とせば辛うじて見えるといったところでしょうか。

弱点は熱ノイズ 対策は?

しかしこのカメラにはひとつ大きな弱点があります。それは超高感度で撮影すると、画面左側の上下に紫色のノイズが出ることです。このノイズは熱ノイズや熱かぶりと言われるもので、デジタルカメラ内の電子回路が発熱することによって生じます。静止画だとあまり目立ちませんが、動画だと撮影条件によってはISO80000程度でもかなり目立つようになります。ちょっと残念ですね。下のテスト動画では気温が5度前後と低かったこともあり、熱ノイズの影響は比較的少なめですが、ISO256000くらいになるとかなり目立ってきます。

www.youtube.com


この熱ノイズ、トリミングして削除する方法もありますが、よく見るとかなり広範囲にわたって熱ノイズがあることが分かります。そこでちょっと一工夫。少しでも熱ノイズを減らす方法を紹介しましょう。


まずは電子回路から熱が発生する時間を短くすること。すなわち、撮影直前までスイッチを入れないことです。これで発熱量を最小限にすることが出来ます。見ていると分かりますが、スイッチをONにしておくと熱ノイズはどんどん悪化していくので、注意しましょう。こまめに電源をON OFFすることは、決して持ちの良くないバッテリー対策にもなります。


続いての対策は、発生した熱を効率よく放熱することです。熱ノイズ自体はどのデジタルカメラでも発生するので、高感度長時間露出する天体撮影などでは冷却カメラなどを使用しています。中にはペルチェ素子を利用してα7Sを冷却改造する猛者もいらっしゃるようですが、ここでは誰でも簡単にできる放熱対策を。それは背面の液晶モニターを動かして、カメラボディから引き離すことです。こうすることでボディの背面からも放熱できるようになりますし、熱源のひとつである液晶モニターをカメラボディから引き離すこともできます。


風切音対策に外部マイクを

動画と静止画の違いはいろいろありますが、やはり音声を収録できるというのは重要なポイントでしょう。α7Sにも内蔵マイクはありますが、風に弱く指向性も弱いものですので、用途によってはたとえ簡易的であっても小型の外部マイクが欲しくなります。欲を言えばきりがないですが、純正のECM-GZ1Mであればアクセサリーシューに取り付けるだけで電源供給もできますし、別途音声ケーブルを接続する必要もないのでおススメです。指向性が強いガンマイクで風対策のウインドスクリーンも付属するので、内蔵マイクとは比較にならないクリアな音声を収録できます。


まだまだ少ない純正レンズ マウントアダプターで解決!

α7Sの弱点として熱ノイズとともに挙げられるのがレンズでしょう。SONYのEマウントにはイメージセンサーの小さいAPS-C用のものが多く、これらはフルサイズのα7Sで使用すると周辺がケラレてしまいます。フルサイズのEマウントレンズもあり、少しずつラインナップも充実してきましたが、まだまだ種類が少なく、開放値がF4のものがほとんど。F2.8のものは標準域の FE 24-70mm F2.8 GM しかなく、せっかくの高感度がもったいない状況です。そこでおススメが、マウントアダプターを使用して SONYのAマウントや NikonCanon といったレンズを使用する方法です。SONYのAマウントレンズを使用する場合は、純正のLA-EA4を買いましょう。動画でもオートフォーカスが効くので便利です。レンズ側に駆動モーターのあるSAM/SSMレンズをお持ちの場合や、オートフォーカスが必要ない場合は、LA-EA3でも大丈夫です。金額が半分近くになります。

SONY マウントアダプター LA-EA4

SONY マウントアダプター LA-EA4

SONY マウントアダプター LA-EA3

SONY マウントアダプター LA-EA3


NikonCanon のレンズを既にお持ちの場合も、マウントアダプター経由で使用することができます。オートフォーカス機能などが使用できない製品もありますが、オーロラや星空などα7Sで動画撮影するシーンをシミュレーションしてみると、オート機能はあまり必要ではないかもしれません。それよりもマウントアダプターはレンズとカメラボディの間に挟むという特性上、非常に高い加工精度が要求される製品です。ここに歪みやズレが生じてしまうと、映像がまともに撮影できなくなることもありますので、できれば金属製の堅牢な製品を使用することをおススメします。弊社ではちょっと高価ですが、宮本製作所の Rayqual の三脚アダプター付きのものを使用しています。またせっかく間に挟むならということで、シフトやチルト機能があるものもあります。


超高感度カメラ α7S を使えば、工夫次第でいろいろな動画を気軽に撮影できると思います。是非いままで見たこともないような素敵な映像を撮影してみましょう。

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