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生活防水? 防塵防滴? 数字が大きければ良いのか? 防水規格IPの正しい読み方

2016年9月19日訂正:iPhone7plus とiPhone7s を間違えて記載してしまいました。正しくは「iPhone7 plus」です。

新しいiPhone7とiPhone7sが発表されました。ようやく防水機能がついたということですが、肝心の防水性能は、実はピンからキリまであるんですよね。水滴がかかる程度なら大丈夫とか、水深5メートルまで大丈夫だとか。そこでIEC(国際電気標準会議:InterNational Electrotechnical Commission)が国際規格を定めました。よく「IP67」とか書かれている、あれですね。今回はこの防水規格の読み方を説明します。


防水に関するIEC規格は保護特性記号と保護等級に分かれています。前半のアルファベット部分が保護特性記号、後半の数字が保護等級になります。「IP67」と表記されていれば、「IP」が保護特性記号、「67」が保護等級ということになります。なおIPはInternational Protectionの略です。防塵防滴に関する保護特性記号は「IP」になります。

で、問題になるのがその後ろの保護等級になるんですが、最初の数字を第1特性数字、後の数字を第2特性数字といいます。第1特性数字は「人体・固形物体に対する保護」つまり防塵性能を、第2特性数字は「水の侵入に対する保護」つまり防水性能を示し、それぞれ以下の表のような基準があります。

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ちょっと字が小さくて見づらいかもしれないので、改めて書き起こします。

防塵に関する第1特性数字は

0 特に保護されていない
1 直径50mm以上の固形物からの保護
2 直径12.5mm以上の固形物からの保護
3 直径2.5mm以上の固形物からの保護
4 直径1mm以上の固形物からの保護
5 動作異常になるほどの粉塵が侵入しない性能
6 粉塵が侵入しない性能

もしここに「X」と記入されていれば、その性能はテストされていないということになります。


同様に防水に関する第2特性数字は

0 特に保護されていない
1 真上から落下する水滴からの保護
2 15度傾けたときに真上から落下する水滴からの保護
3 角度60度以内からの水しぶきからの保護
4 あらゆる方向からの水しぶきからの保護
5 あらゆる方向からの直接噴流からの保護
6 あらゆる方向からの強い直接噴流からの保護
7 水深1m、30分以内の水没からの保護
8 水没からの保護

iPhoneXperiaの防水性能は? 数字が大きいのがいいのか?

では実際に機種の防水性能を見てみましょう。

iPhone7は「IP67」ということなので、粉塵は侵入せず、水深1m30分の水没に耐えられるということになります。これは通常使用ではまず問題ないレベルですね。

Xperia X Performance SO-04H は「IP65/68」と書かれています。これは防水性能に関して「5」のテストも「8」のテストもクリアしたという意味です。つまり「粉塵は侵入せず、あらゆる方向からの強い直接噴流でも水没でも大丈夫」ということですね。一言で防水と言っても、機種によって違うことが分かります。

ここで間違えてはいけないのは、防水性能が「7」や「8」であっても、「5」や「6」のテストにクリアするかどうかは分からないということです。つまり水深1mに30分浸けることはできても、直接噴流では水没してしまう可能性があるということです。なので決して数字が大きければ良いというわけではありません。例えば水たまりに落としても大丈夫だけど、ホースで水をかけたらダメということもあるわけですね。Xperia X Performanceの場合は水没でも直接噴流でも大丈夫ということで「IP65/68」と併記してあるんです。

防水性能が「8」の場合は、各メーカーが耐水圧テストなどを繰り返し行い、スペックが公表されます。Xperia X Performance の場合は水深1.5mで30分というスペックです。さらに深い水深で使用するダイブコンピューターや水中カメラハウジングなどは、Oリングというパーツを使って防水しています。しかしこれらの防水パーツは必ず経年劣化するので、メーカーでの定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。

防塵防水性能を見るときは、実際に使用する、あるいは水没する環境を想定して見ることをおススメします。また、防塵防水性能は使っている間に傷がついたりして劣化することがあるので、過信は禁物です。海水で濡れた場合は真水できれいに拭くか洗いましょう。